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zoom RSS 輪状種とは? − シロカモメは輪状種か? (シロカモメ第1回冬羽・成鳥冬羽)

<<   作成日時 : 2008/01/05 20:35   >>

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日本で観察されるシロカモメの多くは、亜種ssp.pallidissimusとされています。pallidissimusは、シロカモメ中、最大で最も淡色の亜種とされていますが、計測値を見る限りヨーロッパの基亜種ssp.hyperboreusと大差はなく、分布の境界ではインターグレード(亜種間の雑種)が少なくないと考えられています。
pallidissimusの分布域はタイミル半島からベーリング海までなのですが、隣接するアラスカには最小の亜種ssp.borrovianusが生息しています。最大亜種のすぐ横に最小亜種がいるのは不思議です。ユーラシアの西から東へのクライン(表現型または遺伝子頻度の傾斜)が極めてなだらかなのに対して、pallidissimusborrovianusの間はクラインというよりも断絶に近いものがあるような気がします(北アメリカの基亜種との差も大きいのですが)。
もしこの亜種間にインターグレードが生じないのなら、セグロカモメで否定された輪状種(環状種)の例となります(ただし、分布の重なりは確認されていません)。この仮説はたぶん誰も指摘していないと思います。この仮説は各亜種の複数個体のDNA配列の比較で検証可能です。誰か確かめてくれないでしょうか。

輪状種(環状種)とは:種分化には一般に地理的隔離が必要と考えられています。隔離された個体群間には遺伝子の交換(遺伝子流動という)はなくなります。変異が蓄積され、また選択が起こると種分化が起きます。種分化の前に障壁(バリヤー)がなくなると遺伝子流動により隔離された個体群間の差はなくなってしまします。種分化が十分進んだ後にバリヤーがなくなった場合、両個体群間に交雑は起こらなくなります。これが種の起源です。遺伝子流動は種分化を打ち消します。遺伝子流動の生じない2個体群は別種となります。
しかし、こうした遺伝子流動があっても、種分化が起こりうる。その1例が輪状種です。
遺伝子流動の大きさに比べてきわめて広い分布域を持つ種では、分布域の両端の個体群間には実質的に遺伝子の交流がないと考えられます。この場合、バリヤーはないのに、種分化が起こる可能性があるわけです。
分布が円状に拡大するといずれ重なりができます(サーキュラー・オーヴァーラップ)。ここでもし交雑が生じなければ、これを輪状種といいます。円の中央には分布不可能な環境があります。たとえば、セグロカモメにとっての北極、ヤナギムシクイにとってのヒマラヤ、エスショルツサンショウウオにとってのセントラルバレー(カリフォルニア盆地)など。
現在では、カモメとサンショウウオは否定されています。
輪状種の否定には、隔離が過去にあったことを証明することが必要です。シロカモメの分布は現在、連続的とはいいにくい。やはりborrovianusは、隔離による分化で生じたと考えるのが一番合理的ではあります。

輪状種については次のエントリーもご覧ください。
http://seichoudoku.at.webry.info/200706/article_8.html

画像
Larus hyperboreus pallidissimus 1st winter 080104 Japan.
シロカモメ第1回冬羽080104千葉県。

画像
Larus hyperboreus pallidissimus adult winter 080104 Japan.
シロカモメ成鳥冬羽080104千葉県。

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