不明大型カモメ第1回冬羽060410銚子

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 不明カモメ第1回冬羽060410銚子。セグロカモメ類の第1回冬羽ですが、かなり奇妙な特徴を持った個体です。羽衣が全体的に淡色で、特に頭と三列風切が白っぽく、背に比較的はっきりしたブーメラン形の斑が見られますが、これらはLarus mongolicusの特徴です。
 一方で、額がスロープ状で嘴が長く独特な顔立ちは、L. cachinnansを髣髴させます。けれど、L. cachinnansであれば、三列や雨覆などがもっと暗色のはずです。

 初列風切を見ると、ますます混乱してきます。褐色に淡色の羽縁は、この時期のオオセグロカモメ第1回冬羽のそれにそっくりです。Larus mongolicusの初列風切はたとえ擦り切れていても、もっと黒っぽいはずですし、L.mongolicusの羽縁も白っぽくなりはしますが、この個体のようにv字に見えることはあまり無く、白くなるのは先っぽだけの傾向が強いです。
 体形は横長でオオセグロカモメとはまったく違う。

 想像力をたくましくして、Larus mongolicusとオオセグロカモメの雑種が生まれるのであれば、もしかするとこんな個体ができるのかなと思います。D.Liebersら(04)Proc.R.Soc.B271,893のミトコンドリアDNAの塩基配列による系統分析では、驚くべきことにL.mongolicusはL.cachinnansよりオオセグロカモメやシロカモメに近い(とするとシロカモメとの交雑もありか)。ただし、自然交配するには、両者は生態も生息地も違いすぎます。

 D.Liebersらの結果が事実を反映するのであれば、オオセグロカモメ、L.mongolicusとL.cachinnansを比較すると、L.mongolicusとL.cachinnansが似通って見えるのは、生息環境(内陸)が近いことによる収斂(誤解を恐れずちょっと乱暴に言ってしまえば、他人の空似)ということになります。ただし、ウミネコ、L.mongolicusとL.cachinnansの三者を比べれば、もちろんL.mongolicusとL.cachinnansとは他人どころか同一種といってもいいくらい近いのですが。この件にについてはいずれ詳しく考察するつもりです。

 氏原巨雄さんにご指摘いただいたのですが、この個体のパターンに似た不明カモメが観察されています。氏原さんの以下のページをご覧ください。
http://www23.tok2.com/home/jgull/021122/hyMJ.html





posted by seichoudoku at 23:20Comment(0)TrackBack(1)

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Tracked: 2011-02-27 20:12