これとは別の意味でもやはり気に掛かります。宇宙人が突然あなたの足にはずせない得体の知れないリングをはめてしまったら、あなたはどう思うでしょう。野鳥に鳥権を認めれば、リングはその侵害なので鳥は訴訟を起こすかも知れません(まあ、すべての鳥に鳥権が認められると焼き鳥もから揚げも食べられなくなってしまいますが)。
こうした素朴な感情を持っているバードウォッチャーを納得させる理論をバンダー(リンガー)には広く発信してほしい。科学的にどのような成果があるのか、鳥のためになっているのか、標識を付ける人たちはそうしたことをもっとアナウンスすべきです。ほとんどのバードウォッチャーは、標識野鳥を観察してもそれを科学的データとして生かす方途を持っていません。
足環のついたカワウ第1回冬羽070225印旛沼。
1ヶ月前にもこの個体を観察しています。
http://seichoudoku.at.webry.info/200701/article_29.html
こうした観察が何かの役に立てば(そして鳥のためになれば)いいのですが。
追記070305:『山階鳥研NEWS』2007年3月1日号の記事「カラーマーキングとデジタル写真活用」で、尾崎標識研究室長は「近年、デジスコの出現もあって金属足環の判読例が増えている。写真を撮影される方が、今後とも、鳥の生活を脅かさないよう十分注意しながら、足環情報の判読にご協力いただければ大変うれしい」と述べています。
傍線部分が引っかかります。鳥にとっては、捕獲されて足環をはめられることのほうが、デジスコで撮影されることよりずっとストレスのはずなのに、そうした事実を隠蔽して撮影の影響を前面に持ち出すのは、ちょっと(というかかなり)あざといと感じました。
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