そう、アオサギがよくやりますよね。だらしなく半開きになった羽といい、呆けた顔つきといい、まさにそっくり。
こうした仕草は如何に進化してきたのでしょう?
一つの仮説は、サギ類とタカ類の分岐の後、アオサギの先祖に起きた突然変異がこのような行動を進化させ、同様の変異がトビの先祖でも独立して起こった、とする。この説では、突然変異というイベントを二度想定しなければなりません。一方この説の利点は、二つのグループが系統的にかけ離れていてもいいことです(ただし同様の選択圧(環境からの要請)が必要となります)。
もう一つは、サギ類とタカ類との共通の先祖に突然変異が生じたことで行動が獲得され、その後分岐したとする仮説です。この説ではイベントは一度起こればいい。
科学的推論は、オッカムの剃刀に従う説をとりあえず採用します。オッカムの剃刀は、出来るだけ仮定の少ない説を採用すること。
そうすると二つ目の説がより確からしいことになります。実際、最近の系統分類では、コウノトリ類とタカ類は近縁と考えられています。ただし、隔たった系統に、独立に共通の形質(行動を含めて)が進化することもあります。こうした現象は収斂といいます。
さて皆さんは、トビとアオサギの日向ぼっこは、系統の近さによるのか、それとも収斂によるのか、どっちだと思いますか?
トビ071028手賀沼。
月071028手賀沼。
強風に塵が飛ばされ澄んだ青空に月が残っていました。
アオサギの同様の行動は次をご覧ください。
http://seichoudoku.at.webry.info/200701/article_11.html
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