それでは何歳から差が出るでしょう。ヒトの場合二次性徴以前では男女に差はほとんどありません。髪の毛を隠してしまえば顔を比べても女の子か男の子か区別がつかないのではないでしょうか。
それでは次に第1回冬羽の雌雄と思われるシロカモメ(亜種L.h.pallidissimus)を比べてみましょう。
Glaucous Gull Larus hyperboreus pallidissimus ♂ 1st winter 080402 Japan.
シロカモメ♂第1回冬羽080402千葉県。嘴が大きい。左下に嘴の小さい個体の頭部が写っています。次はその♀と思われる個体です。
Glaucous Gull Larus hyperboreus pallidissimus ♀ 1st winter 080402 Japan.
シロカモメ♀第1回冬羽080402千葉県。優しい感じがします。翼が長くなく脚も短くは見えないのでL.h.barrovianusではないと思います。
第1回冬羽の嘴峰のデータを見て見ましょう(Olsen"Gulls")。
基亜種 ♂:♀= 58.1:54.3
L.h.barrovianus ♂:♀= 52.8:52.5
大形亜種では1年目から差がはっきりしているのに対して、アラスカの小形亜種では差がありません。こうした傾向は面白いことに、アイスランドカモメのL.g.kumlieniとL.g.glaucoidesとの間にも見られます。すなわち、前者には1年目から差があるのに対して、後者には差は見られません。これは偶然ではないかもしれません。
L.h.pallidissimusのデータはありませんでしたが基亜種と同等と思われます。
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