シベリアオオハシシギ幼羽080819東京都

8月17日に東京で見つけられたシベリアオオハシシギを観察した。遠いながらもその特徴を捉えることができたので詳細を紹介する。
シベリア西部東部、モンゴル、満州に離散的に分布し、最西の個体群ではペルシャ湾、アラビア海沿岸で、中~東部個体群はインドネシア、インド、オーストラリアで越冬する。日本では春と秋の渡りでたまに見られる。先に見られたカラフトアオアシシギほどは希少ではなく、最大の越冬地であるスマトラでは13000羽が羽を休める(HBW)。
亜種は認められていないが、東西に分布が分断されていてかつ渡りのコースと越冬地が完全に分離していることから、今後西部個体群とそれ以外は亜種とされる可能性がある(HBW)。
繁殖場所はステップの広大な湿地帯で、面白いことにコロニー内にハジロクロハラアジサシが混在することがある。ハイイロヒレアシシギとキョクアジサシの関係を彷彿させる。
複数のシギの形質を組み合わせたキメラようなシギで、今日オオハシシギ属Limodromusとされるが、以前はPseudoscolopax(偽ヤマシギ属)とされていたし、記載はMacrorhamphusでなされているように、分類は迷走してきた。
英名はP.Haymanらの"SHOREBIRDS”では、Asiatic Dowitcherとされていて、『日本の野鳥590』等日本の主な図鑑もそれを踏襲しているが、人種差別のニュアンスを持つasiaticより中立的なasianとするほうが適切と思われる。HBWでは、Asian Dowitcherと表記されている。

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Asian Dowitcher juvenile 080819 Japan.
シベリアオオハシシギ幼羽080819東京都。首をすっと伸ばして長い脚で干潟を闊歩する姿は羽衣も含め、オオハシシギよりむしろ少し小さめのオオソリハシシギを思わせる。

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Asian Dowitcher juvenile 080819 Japan.
シベリアオオハシシギ幼羽080819東京都。画像処理で左右に圧縮されたような頭部の形態に注目。首を後ろに引き後頭部が出っ張って見えるところはジシギを髣髴させる。Snipe-billed DowitcherとかSemipalmated Snipeとかの異名を持ち、Pseudoscolopaxの属名をかつてつけられていたこともむべなるかな。

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Asian Dowitcher juvenile 080819 Japan.
シベリアオオハシシギ幼羽080819東京都。背から尾には白地に褐色斑があり、背はオオハシのように白くは見えない。内側初列風切~次列は、オオハシにはない淡色のパネルを形成。

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Asian Dowitcher juvenile 080819 Japan.
シベリアオオハシシギ幼羽の水かき080819東京都。学名の種小名semipalmatusは、半蹼の意。画像の左足第3趾と第4趾の間に注目。

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Asian Dowitcher juvenile 080819 Japan.
シベリアオオハシシギ幼羽080819東京都。ソリハシシギよりかなり大きく、アオアシシギとほぼ同じくらいに見えた。この日の東京は34℃、水浴びで涼をとる?

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Asian Dowitcher juvenile 080819 Japan.
シベリアオオハシシギ幼羽の採食行動080819東京都。嘴や採食行動はやはりオオハシシギに近い。黒くまっすぐな嘴を深く泥に差し込んでリズミカルに上下させてゴカイなどを捕食する。幼鳥の嘴基部はピンクといわれるが、距離がかなりあったのではっきりはわからなかった。幾分淡色に見える程度。

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