カッコウ類はコンパクトなツルである!カッコウ普通型夏羽~冬羽080824千葉県(追記080909)

シギに夢中になっている間に山の鳥の渡りが始まっていた。ツツドリは8月20日から見られているそうだ。
羽衣を細かく見られたので換羽についてと、最近話題になった(?)カッコウ類の分類について触れたい。

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Oriental Cuckoo nonbreeding 080824 Japan.
ツツドリカッコウ普通型夏羽~冬羽080824千葉県。虹彩がオレンジ色で腹の横縞は太く間隔がやや広いことからカッコウではない。体部、肩羽、雨覆の一部、三列風切の一部、初列の一部(右P4?)、尾羽の一部(中央の4枚T1~T2)が新羽で灰色に見え、それ以外の旧羽は擦り切れて褐色がかって見える。

カッコウはコンパクトなツルである
カッコウ類は分類学的に謎の鳥であった。これについて、今年の6月に米科学雑誌サイエンスに掲載された鳥類の系統に関するフロリダ大のキンブルらの画期的な論文で驚くべき結論が出た。
カッコウ類に最も近縁なのはツル・クイナ類であると判明したのだ。さらにツル、カッコウ、ノガンが単系統(共通の祖先を持つこと)であることから、ノガンのような祖先が足と首を短くしてカッコウへ進化したと思われる。
また、これまでカッコウ目に含まれていたエボシドリは、カッコウよりむしろコウノトリ、ペリカン、アビなどに近縁であることがわかった。
形態の類似性すなわちみためだけでは、少なくとも鳥類において、系統は解明することができないのだ。こうしたことが起こるのは、比較的短期間に形態の変化が急速に進んだために、相同と収斂(相似)の判別が困難になるからである。
家族の類似性より他人の空似が勝ってしまうことにたとえられるかもしれない。

この論文にはこれから何度か触れることになるだろう。

追記080909: これはツツドリではなくカッコウではないか?
ご指摘をいただいた。このとき撮ったすべての画像を見直したが、夕方の林だったためアンダーで撮っているので黒い横縞が太めに見えている可能性がある。
当時の印象を思い出してみると、顔と目がやや明るくて違和感があった。三列、初列の換羽により同一個体と思われる鳥のより鮮明な画像を見せていただいたが、カッコウとするのが妥当と思う。8月20日に観察されたのもカッコウだった可能性がある。

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今回の個体(上)と昨年9月のツツドリの腹の横縞の比較。

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