ヒレアシシギはなぜ嘴をパクパクするのか :毛管ラチェット

ヒレアシシギは水中の微生物を水滴ごと口に運ぶ。
鳥類は嘴に隙間ができるので、哺乳類のように口内の陰圧で液体を吸うことはできないから別の仕組みで取り込む。これまでヒレアシシギは表面張力(界面張力)を利用して水滴輸送すると考えられてきたが、物理的メカニズムは不明であった。
MITとフランス国立科学センターのチームは、コンピュータ制御のステンレス製嘴ロボットを作製し、ハイスピード・ヴィデオにより水滴の輸送を解析した。
それによると、一定の条件で嘴をはさみのように開閉すると、水滴は後戻りすることなく、重力に抗して水滴を嘴先から基部へ輸送する。その様式は、ラチェット(歯止め)によって逆回転しない歯車が一定方向に回転するようであった。彼らはその仕組みを毛管ラチェットと呼んだ。
ヒレアシシギがひっきりなしに嘴をパクパクさせているのは生命を維持させるための必然だったのである。
さらに、シリコーン油滴では重力に耐えることができずにスリップしてしまうこともわかった。ヒレアシシギの精妙なラチェットも、水面に石鹸や油が浮いていればうまく作動しない。水質の汚染はまさに致命的となる。
以下に、任意に撮った画像を水滴の輸送に従って並べてみた。

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Red Phalarope (Grey Phalarope) 080421 Japan.
ハイイロヒレアシシギの水滴輸送080421茨城県。矢印は輸送される水滴の中心を示す。下を向いたままでも嘴を開閉すれば自動的に口まで上がっていく。嘴を狭めれると水滴径は大きくなり、広げると小さくなる。嘴を閉めすぎると水滴はこぼれ、開きすぎれば割れてしまう。上下の嘴のなす角度が、閉めたときで約1~3度、開いたときで約10度以下であるときラチェット様式となる。

ハイイロヒレアシシギの換羽080421茨城・千葉県
ハイイロヒレアシシギの生態と形態

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