イシチドリの進化/鳥類の第三紀のビッグバン仮説は否定された

『鳥の起源と進化』の著者である著名な鳥類学者フェドゥーシアによる、第三紀に鳥の爆発的進化が起こったという仮説で重要な位置を占めるのが、イシチドリである。
この仮説のシナリオはこうだ。恐竜が絶滅した白亜紀の後期に鳥類もほとんどが絶滅した。そして絶滅を免れたのは祖渉禽類('Transitional shorebirds')と呼ばれる原始的なチドリ類であり、現在のイシチドリ類に近縁とされる。第三紀になると祖渉禽類は爆発的に放散して、すべての現世鳥類が進化した。この仮説にしたがえば、イシチドリは現世鳥類の系統樹の基部近くに位置するはずである。
これまで何度か言及してきたキンブルらの論文では、イシチドリも分析されている。結果はというと、イシチドリを含めチドリ類は現世鳥類の系統樹の基部には位置していなかった。よって祖渉禽類のビッグバンで鳥類が生じたという仮説ははっきり否定された。
分子系統学では、鳥の分化は第三紀に起こったのではなく、白亜紀には現世の目はすでに生じていたと考えられている。このへんを手っ取り早く概観するには、裳華房『バイオディバーシティ・シリーズ7脊椎動物の多様性と系統』p309、西海功のコラムがよい。

画像
ペルーイシチドリ090101我孫子市鳥の博物館。ここでの標本の撮影は禁止されていません。

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