鳥は二度飛んだ! シギダチョウの進化

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Elegant Crested Tinamou カンムリシギダチョウ090818国立科学博物館。第1趾は退化している。配偶システムは乱婚。

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Brushland Tinamou アレチシギダチョウ100101我孫子市鳥の博物館。
シブリー&アールクィストの分類では、シギダチョウ目はダチョウ目と古顎類を構成していた。しかし、2008年のキンブルらの分子系統学的研究で、意外にもシギダチョウ目はダチョウ目に吸収されてしまった。
従来の分岐の順は以下のようであった。古顎類の共通の祖先は飛べた。まずそこから、飛べるシギダチョウ目が分岐する。そして、ダチョウ目の共通の祖先で飛行能力を失う。その後、ダチョウ、レア、エミュー、キーウィが順に分岐する。この過程に必要なイベントは飛行の消失1回である。シンプルでわかりやすい。
一方、新しい結論では、古顎類の共通の祖先で飛行能力が失われ、ダチョウとレアが分岐し、シギダチョウが分岐後飛行を再獲得することになる。そしてヒクイドリとキーウィが分かれる。こちらはイベントが1回余計だ。
最尤系統樹で、ダチョウ以外のレア、シギダチョウ、エミュー、ヒクイドリ、キーウィの元の枝がブートストラップ値が100%であることからこの系統関係の信頼性はきわめて高い。
これは驚くべき結果である。なぜなら、系統樹を作成する際のオッカムの剃刀に反し、ドロの進化非可逆の法則にも反し、鳥類は進化の過程で、飛行を二度進化させたことになってしまうからだ。

追加110125:
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カンムリシギダチョウの卵110101鳥の博物館。生きた卵は緑色。

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この記事へのコメント

  • 分岐後それぞれ個別に飛行能力を失った
    (シギダチョウはかろうじて飛行能力が残った)
    と考えることもできると思いますがどうでしょうか
    2012年09月11日 04:19
  • seichoudoku

    Jさんコメントありがとうございます。
    ご指摘の通りです。実際そうだったかもしれませんね。ただ、系統学は、合理的な推論を旨とします。Jさんの仮説ではダチョウ、レア、そしてヒクイドリとキーウィの共通の祖先で計3回飛行の喪失が必要となります。仮定の多い仮説は普通採用しません。地理学的な別のデータがある場合は再考の余地はあります。
    2012年09月11日 21:43

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Weblog: 鴎舞時 / OhmyTime
Tracked: 2018-07-23 16:34