サバンナシトド101128千葉県(改訂161224)

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Savannah Sparrow with Eurasisn Tree Sparrow 101128 Japan.
サバンナシトドとスズメ(右下)101128千葉県。スズメの小群がアシに飛んできた。その中に1羽、腹の白く見えるホオジロ類が見えた。オオジュリンかと思い双眼鏡を向けると、脇にビンズイを思わせる濃い縦斑が顕著だった。この1ショットを撮影した直後に、5羽のスズメとともに飛び去ってしまい、再び発見する事はできなかった。
眉斑は太く黄白色で、特に眼から前で黄色味が強い。頭央線も見える。過眼線は眼の後で細くなり後方でまた太くなっている。耳羽は淡褐色で、その下端の頬線は特徴的なジグザグをなす。嘴は肉色で上辺は灰色。脚は明るい肉色。高野伸二著『野鳥識別ハンドブック』に、(眉斑とともに)「目先も黄色い」とあるが、アメリカの図鑑でloreが黄色いとされるのを誤解したと思われる。過眼線が眼の先にあることから、loreは眉斑の眼から先と解すべきである。
北アメリカに広く分布するホオジロ類で多数の亜種(20以上)からなり、日本に渡来するのは、チュコト半島東部からアラスカに繁殖する亜種Passerculus sandwichensis athinusと思われる。山渓『日本の野鳥』以来クサチヒメドリと称される機会が増えてきたが、いまだになじめない。Savannahの訳語であるなら「クサチ」は誤訳である。Savannahは、最初の標本の一つが採集されたジョージア州(この鳥の越冬地)の港町の名であって、草原(草地)の意ではない。ちなみにミッチェルの『風と共に去りぬ』で、子育てに倦んだスカーレットに母親が、サバナに行って何するの?と問質す場面がある。
生息環境は確かに草地ではあるが、ミヤマシトドやキガシラシトドだって草地にいる。また、ホオジロ類の古称シトドは北アメリカ産のホオジロ類をさす語として一般に受け入れられている。したがって、クサチヒメドリに和名を変更する事に利点はあまりないと思われる。
北米での亜種の分布は一般にグローガー(グロージャー)の規則に従う。すなわち羽衣は北部、内陸で淡色、南西沿岸で暗色を示す。
米北東部のセーブル島のみで繁殖する、大形で淡色の個体群はIpswich Sparrowと称され、ホップよりむしろウォークを好み、形態と行動の差異から亜種でなく別種とされることが多かった。しかしミトコンドリアDNAの分子系統学的研究で種分化はさほど進んでいない事が判明した。一方、米南西部産の亜種は別種と示唆された(Large-billed Sparrow)。

改訂161224: 『風と共に去りぬ』のくだりを追加した。

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