ミツバチの巣でクイーンを数匹のワーカーが取囲んだところをローヤルコートという。大顎腺から分泌された女王物質を摂取したワーカーは不妊となる。樹液の発酵した大きなクヌギでオオスズメバチのローヤルコートと思われる行動を観察した。特に大型のクイーンに4、5匹のワーカーが寄添い頻繁に口移しを受けていた。ワーカーが増え始めたこの時期はまだ分業がはっきりせず、クイーンは餌集め等外役と産卵に忙しい。クイーンが外役を止めるのはワーカーが数十匹になった後であるらしい。共同営巣期も分業期も変わらずワーカーの不妊をコントロールする必要があるだろうから、外役中もフェロモンをこうして与えているのかもしれない。ミツバチのフェロモンは女王の体表に拡散し、それに触れることで作用するが、件のスズメバチでは、ワーカーがクイーンの体部に触れる行動は目につかずもっぱら口移しで何らかのやり取りをしていた。
画像1-6は7月30日、画像7は7月29日、画像8は7月31日撮影。
コガタスズメバチ130826千葉県。
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