コスズガモタイプ雑種♂成鳥(動画)150412千葉県

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Possible hybrid Tufted Duck x Greater Scaup/Pochard ♂ adult with Greater Scaup 150412 Japan.
見る角度によっては頭頂が尖っていてコスズガモに似て見えるが、短いながら冠羽があり、背が濃い灰色で、嘴爪の黒斑が広いこと等より明らかにコスズガモではない。該当する種はないので雑種と思われる。
可能性がある組み合わせを以下に示す。
① キンクロハジロ x クビワキンクロ
② スズガモ x キンクロハジロ
③ キンクロハジロ x ホシハジロ
④ スズガモ x ホシハジロ
明瞭な白黒のパターンから交雑にキンクロハジロが関わっているのは間違いないだろう。なので④は除外できる。脇に灰色味がまったくなく、嘴先端の黒の内側の白が目につかないので、①もないだろう。可能性が高いのは②か③だろう。コリンズのBird Guideにこの二つの組み合わせの雑種カモの図があるが、よく似ている。
当該個体の虹彩は周囲のスズガモと比べるとやや色が濃く、橙黄色あるいは黄土色に近い黄色に見えた。虹彩が同様に黄色いスズガモxキンクロハジロの組み合わせで説明できるか。また頭部に緑色の光沢は出ておらず、紫~赤紫の光沢が見えた。これらの特徴は、片親がスズガモよりむしろホシハジロの可能性を示唆するかもしれない。
Bird Guideには、ホシハジロ♂xキンクロハジロ♀とキンクロハジロ♂xホシハジロ♀の組み合わせが掲載されているが、当該個体は後者に近い。
一方で、嘴端の黒斑がホシハジロのように広くないのでやはりスズガモの可能性はあるか。

ところで、鳥類の雑種は♂であることが多い。これは雑種カモの♀の識別が難しいからのみでなく、ホールデン則で説明できる。雑種では性染色体の組み合わせがヘテロ接合体になる性が致死であったり不妊であったりする傾向があるからだ。鳥類の性決定様式は♀ヘテロ型で♀の性染色体はZWとなる。Z染色体に連鎖する劣性遺伝子は、♀ではZ染色体が1つしかないのでかならず発現するが、♂ではZ染色体がもう1つあるので必ずしも劣性形質が表現されない。同様の仕組みで、性決定様式が♂ヘテロ型のヒトでは、赤緑色覚異常は女性に少ない。

この個体は6日前の4月6日にUjimichiさんが撮影した雑種と同一と思われる。さらに、2010年10月11日、同所で観察した個体(脇が真っ白に見えないが)と同一かもしれない。


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