①擬態する。②嘴を上に向け頸を伸ばす。③両眼視する。進化的にはどれが先か考えると面白い。
例1:嘴を上に向ける頻度の高い個体が結果的に擬態の効果により選択される。→次に両眼視に選択圧がかかり目の位置が移動した。これがわかりやすいシナリオだろう。嘴を上げるのは擬態によって環境に溶け込むためである。しかしまったく別のストーリーもありうる。
例2:頭部の形態変化で眼が下向きになる(下方の餌を捕るのに有利か?)。→嘴を天に向けると上方でなく前方を両眼視できるようになる。→結果嘴をあげることが葦原で擬態の効果を生じさせた。嘴を上に向けるのは擬態のためよりむしろ敵を両眼で注視するためである。敵との距離を測り逃げるか戦うかの間合いを測るのに立体視が役立つ。
あらためてアシ原でサンカノゴイが頸を伸ばし嘴を天に向ける動画を見てみる。羽衣がすでに迷彩なのでことさら頸を伸ばさずとも環境に十分溶け込む。かえって頸を伸ばすことは身をさらし発見のきっかけを敵に提供しさえする。次の画像を見ればそれがうなずける。100m以上離れていても突き出た首で見つかる。むしろ目的はきょろきょろと辺りをうことではないか。それも前方の一点を両眼で注視しているように見える。動画の彼女の双瞳の向きはそれを確信させる。
Eurasian Bittern ♀ 120727 Japan.
3年前、オオヨシゴイのサイトで。
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