アカアシアジサシはアジサシである?

9月の鳥学会の自由集会「砂浜の鳥の保護」で茂田良光氏が「日本におけるアカアシアジサシの記録について」発表した。
要旨を以下に引用する。

東京湾や大阪湾沿岸などにおいて嘴基部と足の赤いアジサシの観察や繁殖が知られ,アカアシアジサシとされることが多い。アジサシ Sterna hirundo には hirundo, minussensis, tibetana,longipennis の4亜種が知られ,亜種アカアシアジサシminussensis はアジア中部,モンゴル北部で繁殖しインド洋で越冬する。ロシア極東から中国北東部で繁殖し,インド東部,東南アジア,ニューギニア,オーストラリア,ニュージーランドで越冬 (Dickinson & Remsen, 2013),日本には主に旅鳥として渡来する亜種アジサシlongipennisよりわずかに大きく,背と翼上面の灰色が濃く,下面が白色ではなく灰色を帯びる (Dement'ev and Gladkov, eds. , 1969)。
亜種アジサシも繁殖期には嘴基部と足が赤くなり,日本でアカアシアジサシと呼ばれているのは,亜種アカアシアジサシではなく亜種アジサシであると考えられる。


そこで本ブログの画像が使用された。
亜種アカアシアジサシには2つのタイプがある
アカアシアジサシのディスプレイ060619飯岡

本ブログ管理人の2009年の仮説を次にまとめる。
1) 千葉茨城で見られる嘴と足の赤いアジサシには体色が薄いもの(薄いアカアシアジサシ)と濃いもの(濃いアカアシアジサシ)の2つのタイプがある。
2) 薄いアカアシアジサシはSterna hirundo minussensisと思われる。
3) 濃いアカアシアジサシはS.h.tibetana かもしれない。

JBFでの氏との立ち話に次のような興味深い内容があった。
繁殖地のモンゴルではS. h. minussensisの背は濃いものと薄いものがいる。それらにアソータティブメイティングは見られない。さらに西の個体(たぶんS.h.tibetana)はさらに背が濃い。背の濃さのクラインは見られない。 氏によれば管理人の撮影した濃いアカアシアジサシはS. h. minussensisの可能性がある(私信)。
茂田氏の説は本ブログ管理人の説の種の配置を西方向へ1つずらした形になっていてより自然な説といえる。亜種アジサシS.h.longipennisが繁殖地で嘴と足が赤くなるのであれば、茂田氏の仮説は説得力を持ち検証に値する説である。

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①②薄いアカアシアジサシ060619千葉県。同一個体だが①左はやや濃く見える。③濃いアカアシアジサシ010715茨城県。④濃いアカアシアジサシ090723千葉県。⑤嘴は赤くないが足は赤いアジサシ090723千葉県。

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