日本産シロチドリの分類と移動161105JBF

「山階鳥研見にレクチャー」で茂田良光さんの講演を聞いた。以下要旨。
1) 亜種シロチドリは、日本鳥類目録第6版では、Charadrius alexandrinus nihonensis とされていたが、改訂第7版では、C.a.dealbatus とされたのだけれども、この変更は妥当でない。
亜種記載者スウィンホーの標本(上画像)を見ると、過眼線が目先の部分で消失している。本州九州で見られる過眼線が嘴基部に達しているシロチドリとは明らかに違う。頭部のオレンジ色が濃く、嘴が短く細いところもシロチドリとは異なる。C.(a.)dealbatus は、亜種カオジロシロチドリ(仮称)とするのが妥当。
千葉、九州での標識後放鳥の再回収は、本州九州に限られ、南西諸島や国外での記録はない。(⇒九州以北の日本産亜種は日本の固有亜種の可能性が高い。茂田さんはC.a.nihonensis が妥当とだとは言及せず。HBWでは、C.a.dealbatus は日本南部、琉球列島、中国東部・南東部に分布、フィリピン、ボルネオで越冬する、と記されている。)
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1861年5月、中国厦門(アモイ)島でRスウィンホーが採集したシロチドリC.(a.)dealbatus

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マレーシアで撮影された基亜種ハシボソシロチドリ(左)と亜種カオジロシロチドリ(右)。

2) 沖縄で見られるシロチドリは、目先の黒が少なく背の色が薄い。台湾で標識後放鳥された個体が石垣島で採捕されたが、この個体も背が薄い。九州以北の亜種とは別と思われる。台湾の亜種はC.a.dealbatus とされてきたが、違うのではないか。
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台湾産シロチドリ。

3) ベトナム(、マレーシア)で捕獲したシロチドリはC.a.dealbatus ではなく、未知の亜種の可能性がある。C.a.dealbatus では、内側初列風切基部の白斑が広く5-6枚(夏冬で変化しない安定した形質)であるのに対して、捕獲個体では、狭く3枚であった。これが沖縄で見られる亜種と同じかは不明。
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ベトナムのシロチドリの初列風切の白帯。

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