『本心』のスズメ(追記200727)

スズメ200726下沼田 (5).jpgEurasian Tree Sparrow 200726 Japan.
テラスに設置されたガラス製のフェンスに、雀が一羽、こちらに背を向けて、止まっていた。僕は、綿花のようにまん丸に膨らんだ、その愛らしいお腹をしばらく見ていた。   平野啓一郎 『本心』313
プロでもこうした初歩的なミスを犯すのかちょっと驚いた。
「なぜ校閲されなかったのかな。」
「やっぱり、文学的な内容までは手は出せないんじゃない。」
単行本ではどのように書き換えられるだろう。

追記200727:この2文がミスではない可能性について一応触れておく。
主人公の「僕」は現実と仮想の世界を往き来するのを生業にする。したがって、仮想の浸食で現実が混濁すれば、上記のごとくに、背を見ながら腹を見ることも可能なのかもしない。しかし、この可能性は次の二点により否定できる。まず、雀は現実の生の象徴であること、そして「僕」は現実で新たな一歩を歩みだすステージに立っていること。
雀は初め背を向けていたが次の瞬間腹を向けたと解釈することは、普通の読者は2文は息をつかずに一気に読むので無理というものである。 

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