T先生の思い出

私の唯一の人生の師はT先生である。私が物心ついたころ小学校の教員を定年退職した彼女の手引きで、絵のない本を読むようになり、コンサートの臨場感を知り、鳥の囀りを覚えた。 私はT先生から中坪礼治のNHK日本の野鳥(1976年)を借りて繰り返し聞いた。ききなしして言葉にして覚えた。150種あっという間に覚えた。たぶん持ち主より私の方が聞いた。なんせ借りっぱなしだったのだから。結局譲り受けることになっ…

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シギ類の年齢識別に「暦年(カレンダー・イヤー)」は適切ではない!?

私がcalender-yearという聞き慣れない用語に最初に出くわしたのは、絵が素晴らしく今でも最高の図鑑の一つであるLars Jonsson(1992/1996)のBIRDS of EUROPEをぱらぱら繰っていた時だった。calender-year用語(ターミノロジー)に1ページが割かれている。以下まとめてみる。 1st cal-year: 羽衣に関わらず、孵化してからその年の12月3…

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ひと山…

増えすぎた本を一昨年から少しずつ整理している。ブックスマイルなる古本屋が自宅まで買い取りに来るという。ひと山10円。ただ捨てるのにもゴミ置き場に運ぶのが難儀なのでたとえ10円でもよしとするか。片付けの進捗はいまだ1%程度か。

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ありがとう、エディー・バウアー

捨てちゃうの― 家族に言われた。 20年ぶりにフィールド用のダウンジャケットを新調し、お役御免となったボロボロのエディー・バウアー。愛着を越えて私の一部となっていた。本人より家族がその最後を哀れんでくれたことが意外で、ちょっと切なくなった。 エディーありがとう。

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大人形山車の鳥160424千葉県

大人形山車の鳥160424千葉県。 通常は夏祭りで10台秋祭りで14台見ることができるのだが、山車特別曳き廻しで、一度に24台の山車を見ることができた。画像1:鷹、画像2:神武天皇の八咫烏、画像3:金時山姥の山車彫刻のオシドリ。

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レオナルドのミミズク

レオナルド・ダ・ヴィンチの『鳥の飛翔に関する手稿』を見てきた。対象の鳥の細部を正確に描写するというより、鳥の動きを活写する。躍動感はあるが、細部たとえば初列風切の枚数の誤りには頓着しない。彼の興味は鳥という生物自体の自然史にはなく、あくまで人が飛ぶための力学と工学にあるようだ。だからといって、鳥を単なる飛行のモデルとしてのみ捉えていた訳ではないようで、ジャン・クロード・マニゴーが、鳥商から買い取…

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ホオアカ第1回冬羽160220千葉県

Chestnut-eared Bunting first winter ♀ 160220Japan. 予報通りの雨ですぐ引き返す。 鳥はやめ、断捨離へ 本体はもう無いのに保証書があった。買ったの初代発売後6年も経っていたとはちょっと意外だ。

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旧井上家住宅141122千葉県

手賀沼の干拓は江戸後期開始された。その中心あったのが豪農井上家。我孫子市布佐の旧井上家住宅は無料で入館できる。 旧漉場(こしば)に置いてある鳥かごは竹製。間近で見ても金属にしか見えない。これぞ匠の技。 母屋の屏風には雁が描かれていた。

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エミューの思い出

Emu 120825 Fujikachoen. エミューやヒクイドリは雄が卵を産む、図鑑や百科をこよなく愛した小学4年生の頃、友人や母に吹聴した。しかし、反応はあまり芳しいものではなかった。そもそも友も母もエミューが何ものかを知らなかった。 「抱卵」の意味する所を知るにいたるのにはずいぶんと時間を要した。 「アレ」っていう変な名前の鳥がいるんだ、小学3年生のときの担任の先生に得意になって話…

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国立西洋美術館の鳥

アドリアーン・ファン・ユトレヒト「猟の獲物と野菜のある静物」1648年。ファン・ユトレヒトはバロック期ベルギーの画家。本拠のアントワープで描かれたと思いきや、カワアイサ、ベニバラウソ、アトリ、コシギなどに混じってなぜかアメリカヒレアシシギらしきシギが描かれているではないか。いったいどこで狩をしたのやら謎。 ジャン=フランソワ・ミレー「春(ダフニスとクロエ)」1865年。雛に餌をやるクロエ。…

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国立歴史民俗博物館の鳥 (Ⅱ)

歴博再訪。 農耕画青銅器(前5-4世紀)大韓民国忠清南道。一対の鳥。鳥信仰は朝鮮から伝えられた。 カモ骨、伊川津遺跡。 木の鳥大阪池上遺跡、前3世紀(左)・前4世紀(中)、島根西川津遺跡前6-5世紀(右)。 鳥人を描いた壺形土器奈良県坪井遺跡(前1世紀)。弥生時代の鳥装した司祭者。 兵庫県桜ヶ丘遺跡4号銅鐸(前1世紀)国宝。銅鐸の画題でもっとも多い鳥はサギである。 …

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ドードーを出版してはならない

ドードーには不吉なジンクスがある。すなわち、ドードーの研究者は本が完成する前に必ず死ぬ。 「私がそのジンクスを破ってやる」 沖縄諸島と先島諸島との間に引かれた生物地理学的境界線にその名を残す、鳥類学者であり探検家の、蜂須賀正氏(はちすかまさうじ)はドードーの呪いに挑んだ。 1920年、17歳の蜂須賀はイギリスに渡った。留学は当初法律が目的だったが、彼が熱中したのは法律ではなく鳥類学だった。…

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『不思議の国のアリス』のドードーの不思議なポーズ

Dodo 121103 Abiko City Museum of Birds. アリスの零した涙に落ちてびしょぬれになったアリス、鼠、オウム、アヒル、鷲の子、そしてドードーは、ドードーが提案したコーカス・レースでからだを乾かす。コーカス・レースは、「出発の合図もなく、みんな、好きなときに走り出して、好きなときにやめればいい」まるいコース線上のドードー巡りだ。レース後「でも、誰が勝ったんだ?」の…

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小林重三のイヌワシ

上から小林の描いた図鑑のイヌワシ、その素描(「小林重三のせかい」より)、そして、並べるのはおこがましいが小林のイヌワシに心奪われたブログ管理人、小学校2年生の頃の模写。素描にはIris chrome yellow or deep orange・・・  Tarsus chrome ・・・・・・ と記されている。図鑑と素描を見比べると、止まり木が岩場に変わっている。尾の向きや背の丸みにも違いが見られ…

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国立歴史民俗博物館の鳥

国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)れきはくを訪れた。いつの時代も人は鳥とともにあった。 原始・古代(第1展示室) 鶏形(とりがた)木製品 纒向石塚墳丘墓周溝出土品 3世紀。 三角縁四神四獣鏡3世紀。獣とあるがミミズクか。翼はない。 鼉龍(だりゅう)鏡。これもミミズク? 中世(第2展示室) 君台観左右帳記1560年。 版木13-14世紀。 …

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小林重三展110528千葉県

小林重三はブログ管理人にとって特別な画家だ。物心つく頃小学館『鳥類の図鑑』で彼の鳥の虜となる。ずいぶんと模写したものだ。 貴重な資料を数多く目にすることができた。撮影が可能だったのであれこれ写したがそのうちのキリアイ。借りた剥製でスケッチしたこと、初列が長すぎること、などがメモから読み取れる。 剥製で描いたと思われる鳥はどことなくバランスのわるい傾向があるように感じた。生きたものを観察し…

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人の無力

かつて地を揺らしたのは怒れる神だった。今プレートテクトニクスとその名を変えたが、自然の猛威に人が無力であることに変わりはない。

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チュウヒ♀成鳥・地球照091115茨城県

Eastern Marsh Harrier adult ♀091115Japan. チュウヒ♀成鳥091115茨城県。体下面がほぼ褐色で胸にバフ色の斑が少しある。下雨覆も褐色で淡色斑は少ない。幼鳥は胸、翼下面がもっと白っぽい。虹彩は黄褐色。 Earth Shine 091115 Japan. 月齢28の月・地球照091115千葉県。

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接眼レンズの修理

修理に出していたアイピースが2ヵ月半で手元に帰った。見積もりでは1.5~3.5万円、日本製なら新品が買える。数ヶ月迷った末決心した。結局スコープのとき同様なぜか無料だった。 高い見積もりにかかわらず修理を求めるユーザーには無償で応えるのだろうか。 年間150回を9年、苛酷な環境で酷使したアイピースがまるで新品になってもどって来るのだから嬉しくないわけがない。これで、双眼鏡、スコープ、それにア…

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望遠鏡の修理

砂嵐に潮風、過酷な条件で酷使して前玉がすりガラスのようになった望遠鏡が、2ヶ月ぶりに本国から手元に戻った。双眼鏡のときよりそれでも1ヶ月近く早かった。 レンズ交換は7~8万円、見積もりの後修理をキャンセルしても輸送費用9千円かかるといわれていた。それなのに。 レンズ交換とその他の点検含めてなんと特別無償だった。どういったシステムなのか不明。なにはともあれ、双眼鏡同様お金をかけずほぼ新品として…

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フェルメールの鳥081023上野

雨の上野にヨハネス・フェルメールを観にいった。確かめたいことはいくつもあたったが、フェルメールは鳥を描いたか?はその一つだった。 フェルメールの作品は約30点のみなので、そんなこと画集を見ればすぐわかると思うかもしれない。あるいはフェルメールを知っている少なからずの人は、描いていないと即答するかもしれない。 たしかに彼は鳥を描こうとして描いてはいない。しかし、光学機器を使ったともいわれるフェ…

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つぐみの思い出

つぐみには苦々しい思い出があります。 野鳥を飼うのをきっぱり止めてから、撮影を始めるまでのあいだだったでしょうか。偶然野鳥を生け捕りにする罠の仕組みを知ります。 知れば作ってみたくなり、作ってみればやはり使ってみたい。成鳥が慣れないことは百も承知、それ以前にもう野鳥は飼わない決意までしていたし、もちろん焼き鳥にするつもりは毛頭ないし、小遣い稼ぎを目論んだわけでもない。 それなのに仕掛け、餌…

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「世界へふみいるとき」の「啓示」

最もこころ揺さぶられた鳥は何かと問われれば、躊躇うことなく白鷺と答えます。 小学低学年、埼玉の水田地帯の川で見たコサギ。感動といった手垢にまみれた陳腐な言葉では言い尽くせない体験です。 これは誰にも話さなかったのだけれど、最近同僚の愛鳥家が同じ体験をしていることを知りました。塚本洋三著『東京湾にガンがいた頃』にも、野鳥の世界へふみいるときの啓示がシラサギだったとあります。白い鷺には普遍的な魅…

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休業中

仕事が普通に出来て、そして休みに鳥が見られる。これこそ幸せ。

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鴎舞時はなんて読むの?

こう聞かれると、何て読んでもらっても結構です、と答えてきました。 鴎舞時には、探鳥の陰と陽の両面を込めました。 【おうま-い-とき】勿論これは、逢魔が時(おうま-が-とき)を思い出させます。禍を起こすときを意味します。 鳥にとことん関わることは、人生にとって両刃の剣です。ポジティヴな面が大きければ、同じだけネガティヴな面が不可避的に附いて回ります。 10年位前までは、家族で鳥見をしていま…

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晴鳥雨読

Thayer's Gull Larus thayeri 1st winter 060309 Choshi. カナダカモメ第1回冬羽060309銚子。(追記090111:この1年目のカナダカモメは4年目の冬まで毎冬観察されることになる。)  晴鳥雨読には先行同名(senior homonym)があり、こちらにプライオリティはありません。後行同名(junior homonym)は無効(inva…

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