グンカンドリとKの思い出(追加181119)

― そんな古臭い博物学を今更やってどうする Kは言い放った。 夕食後、学園祭の出し物を決めるため、野生動物研究会のメンバーは大学会館に集まった。けれど、意見が出ない。しばし沈黙の後、やや躊躇したのだが私は提案した。鳥の多様性は目を見張るものがある、例えば足、ネズミドリ(皆前趾足)とかグンカンドリ(欠全蹼足で皆前趾足にもなる)とか、嘴も長いの曲がったのいろいろある、そうした鳥の形態を絵や模…

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クロハラアジサシ幼羽~第1回冬羽、蹼、ダイビング(動画)141122-千葉県

Whiskered Tern first winter 141123C Japan. 個体C。3羽のうち一番換羽が進んだ個体。背、肩羽、雨覆の多くは第1回冬羽。三列風切、初列風切等は幼羽。足は赤。蹼は前三趾に不完全な蹼がある欠蹼足。運良く岸から近くに羽を休めてくれた。 Whiskered Tern first winter 141124B Japan. 個体B。肩羽、大雨覆等に褐色…

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側頭線か頭側線か、チュウジシギ冬羽140907千葉県a

Swinhoe's Snipes nonbreeding 140907AB Japan. 頭央線と眉斑との間の暗色線(の斑の入り方)はジシギの識別点の一つである。たとえば上の画像のようにチュウジシギは黒っぽい。この部分は英語ではlateral crown stripeと表記されるが、日本語では側頭線(こちらは英語の直訳か)とされたり頭側線とされたりする。たとえば『日本の野鳥550』では側頭…

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アカアシシギ冬羽(動画)、蹼、採食行動、脱糞121118茨城県

Common Redshank nonbreeding 121118 Japan. 嘴の基部半分程度は橙色だが足より鈍い(画像1)。三列風切は磨耗が激しい幼夏羽(画像2、3)。腰の白が目立つ(画像4)。次列風切後縁は白(画像5)。尾羽T1-2は灰色味のある新羽で、外側T3-6は褐色を帯びた幼旧羽(画像6)。獲物の多くはドジョウだったがツルシギほど大きいものは捕らえていなかった(画像7~9)。ド…

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キアシシギ成鳥夏羽100509千葉県

Grey-tailed Tattler breeding 100509 Japan. キアシシギ夏羽100509千葉県。新鮮な夏羽なので肩羽、雨覆に淡色羽縁がある。第三趾(中趾)と第四趾(外趾)の間に水かきがある半蹼足。 →鳥類の蹼(みずかき)9種

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クロジ♂成鳥冬羽 虹彩100322千葉県

Grey Bunting adult ♂ nonbreeding 100322 Japan. クロジ♂成鳥冬羽100322千葉県。虹彩、瞬膜、オービタルリング、アイリングがよくわかる。大雨覆の磨耗が目立つ。 両生爬虫類の皮膚の構造色にかかわるイリドフォア(虹色素胞)は、鳥の皮膚では羽毛の進化の過程で失われ、虹彩にだけ残った。イリドフォアにはカロテノイド、プテリンの色素の結晶が並び、構造色を生…

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ジシギ類の骨格

Skeletal structures of Common, Swinhoe's, & Solitary Snipe 090101 Japan. 上から、タシギ、チュウジシギ、アオシギの頭蓋090101鳥の博物館。 嘴の長さはタシギとチュウジで差はあまりないが、チュウジでは基部が太く、頭部がタシギより大きく前後にやや長く見える。それはフィールドでの印象と一致する。タシギの頭部はチュウジに比べ…

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ワシカモメ第1回冬羽の性的二形 090302千葉県

大形カモメ類は一般に性的二形が目に付く。どの種も♂が1割程度大きい。しかし、いつ二次性徴が現れるかは微妙に異なる。嘴峰の♂/♀比を第1回と成鳥で比べると、アラスカ産シロカモメでは、1.01→1.10で、第1回では雌雄に差はないが、ヨーロッパ産セグロカモメでは、1.09→1.09と、1年目ですでに性差ははっきりしている。 ワシカモメの場合、1.04→1.06で、中間的である。この数値を見る限りワ…

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亜種リュウキュウキジバト090206沖縄県

Oriental Turtle Dove Streptopelia orientalis stimpsoni 090206 Okinawa. 亜種リュウキュウキジバト090206沖縄県本島。 Oriental Turtle Dove Streptopelia orientalis stimpsoni 090205 Okinawa. 亜種リュウキュウキジバト090205沖縄県離島。亜種キ…

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コノハズク・ツミ・ハイタカの骨格/猛禽の系統

{インコ、ハヤブサ、タカ、フクロウ}のどこかに、系統に従って/を入れなさい、といわれたら、どこに入れるだろうか。次の三つの選択肢からより適切と思われるものを選んでみてほしい。 ①{インコ、ハヤブサ/タカ、フクロウ} ②{インコ/ハヤブサ、タカ、フクロウ} ③{インコ/ハヤブサ、タカ/フクロウ} まず、でたらめな①が消せるだろう。②は飼い鳥と猛禽と分けらるけど、タカとフクロウが似ている…

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フクロウの風切羽080719千葉県(追記080720)

フクロウの翼には飛ぶ際に音を立てない仕組みがいくつか備わっている。 フクロウの風切羽080719千葉県。 フクロウ風切羽の表の拡大図。 細毛に注目。これにより、飛行時の翼の表面に大きな乱流(羽音の原因になる)が生じない。裏とは明らかに異なりビロードの手触り。 フクロウ風切羽の裏の拡大図。 表に密生している細毛がない。手触りはつるっとした感じ。 トビの羽。下図は表の拡大…

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ハシジロアビ第1回夏羽080602千葉県(追記0603・0604)

Yellow-billed Loon 1st summer 080602 Japan. ハシジロアビ第1回夏羽080602千葉県。褐色が全体に薄く、体上面の羽縁が淡色で雨覆に白斑が見えず、アイ・リングがさほど目立たない、等の特徴から成鳥冬羽ではなく、ほとんど幼羽のままの第1回夏羽と思われる。 伸びをして蹼を広げるとピンクの花が咲いたよう。 Yellow-billed Loon 1st …

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シロカモメの第1回冬羽の性的二形

雄と雌の差異を性的二形といいます。大型カモメでは比較的目に付きます。雄のほうが雌より大きい。 それでは何歳から差が出るでしょう。ヒトの場合二次性徴以前では男女に差はほとんどありません。髪の毛を隠してしまえば顔を比べても女の子か男の子か区別がつかないのではないでしょうか。 それでは次に第1回冬羽の雌雄と思われるシロカモメ(亜種L.h.pallidissimus)を比べてみましょう。 Gl…

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キビタキ第1回冬羽071001柏

ヒッ・ヒッ・ヒッ。ビュルルルル。この日の午前中、林で2羽のキビタキがけたたましく鳴き合っていました。そのうちの1羽でしょうか。 死後硬直状態の落鳥です。 キビタキ第1回冬羽071001柏。 背にはオリーヴ色味、腰から尾には茶色味があります。 大雨覆と三列風切にやや太い明白なバフ色の縁取りがあります。第1回冬羽と思われます。

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オオバンの親子070701印旛沼

印旛沼や手賀沼では、オオバンが多いのは冬季で、一部が繁殖しているようです。この数年オオバンの個体数は減少していたのですが、昨冬は両沼で例年よりたくさん見られました。ほとんどの鳥種が減少している中でたくましく生きています。 この鳥の分布はバンに負けないくらい広範囲です。バンの住まないオーストラリアにもいます。亜種はHBWによるとユーラシアに広く分布する基亜種、ニューギニアに2亜種、オーストラリア…

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コフキトンボ♀の多型070630手賀沼

多型といえば鳥では、ハクガン、フルマカモメ、オナガミズナギドリ、クロサギ、サシバ、シロハヤブサなどに見られる暗(黒)色型と淡(白)型がすぐ思い浮かぶと思います。カッコウの仲間に見られる赤色型は♀に見られます。 コフキトンボの多型も♀で見られます。♂のように翅に目立った帯のない同色型と、♂とはまったく異なった異色型が存在します。異色型は、羽の縁紋の内側にミヤマアカネのような褐色帯があり、基部は橙…

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オオセッカ070430神栖

オオセッカは日本と中国に、局所的に分布する希少種です。 日本産亜種オオセッカLocustella pryeri pryeriが基亜種で、基産地は東京で記載されています。中国産亜種オナガオオセッカLocustella pryeri sinensisは基亜種より淡色です。この差は、乾燥・寒冷地ほど淡色になるというグロージャーの規則で説明できるのかもしれません。グロージャーの規則については、http…

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オオハム冬羽070128神栖

砂浜の落鳥個体です。ハシボソミズナギドリなどはよく浜に落ちているのですが、オオハムは初めてだったので、あちこち観察しました。 オオハム070128神栖。 体に対して翼が短いこと、足が体の後ろに付いていることなどがわかります。これでは陸では不自由だろうな、とつくづく思いました。

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最も重い飛ぶ鳥

今日図書館の最新刊雑誌コーナーで "NATURAL HISTORY"のカヴァーに目が釘付けになりました。 喉を風船のように膨らませたコーリ・バスタード(アフリカオオノガン)♂のディスプレイ。http://www.naturalhistorymag.com/master.html?http://www.naturalhistorymag.com/1206/1206_toc.html このサイト…

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スズガモ♀061115神栖

  落鳥後間もないスズガモを港で見つけました。野鳥を細部まで観察できることは滅多にないので、こういうチャンスにはカメラがあればあちこち動かして撮影します。   スズガモは地味なカモの代名詞みたいなものであまり顧みられることがないのですが、褐色に嘴基部の白斑、翼の白帯はシックだし、青い足も宝石をはめ込んだようだし、全体像にも機能美が備わっていて、かなり魅力的な鳥であることがわかります。

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鳥類の蹼(みずかき)9種

広義の水かきには、web(狭義の水かき)とlobe(弁)があります。 1)蹼足(ぼくそく) : 前三趾に完全な蹼がある Taimyr Gull ホイグリンカモメタイミルセグロカモメ050405印旛沼。足の黄色いセグロカモメ類でも、水かきはピンクがかった色合いをしていることが多いのですが、渡りの頃、印旛沼を通過するホイグリンカモメタイミルセグロカモメには、脚、水かきともに橙黄色の個体がいま…

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アカエリヒレアシシギのひれ060605波崎

 アカエリヒレアシシギ♂夏羽060605波崎。陸に上がることがあまりないので、名前の由来になっている鰭脚を見る機会はめったにありません。今日の波崎は雨模様で鳥はほとんどいなかったのですが(他のシギ・チドリ類については、メリケンキアシシギ、キョウジョシギ、イソシギ、コチドリ、シロチドリが見られました)、上陸したアカエリヒレアシシギを観察する機会に恵まれました。青味がかった脚にオオバンのよう…

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