ニホンアカガエルとヤマアカガエル

ニホンアカガエルは平地に、ヤマアカガエルは山地に生息するアカガエルで、よく似た外見をしていて、同じ場所で見つかる(同所的)こともあります。けれど、Larus cachinnansL.mongolicusとのように、別種なのか亜種なのかといった混乱は起きません。何重かの隔離機構があり、また核型分析(染色体の数と形を調べること)で明瞭な差があるからです(体細胞の染色体数はニホンアカが、2n=26、ヤマアカが2n=24)。
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Japanese brown frog 070220 Japan.
ニホンアカガエル♀?(多分2年目)070220千葉県。

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Montane brouwn frog 070220 Japan.
ヤマアカガエル♀070220千葉県。ニホンアカより暗い色をしています。下あごに斑がないのがニホアカ、あるのがヤマアカです。
次の二つの♂より二周りは大きい。これでも産卵したばかりなので、産卵前と比べればお腹はぺしゃんこです。

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Montane brown frog 070220 Japan.
ヤマアカガエル♂070220千葉県。前肢の第1指(親指)に♂特有の婚姻瘤が見えます。

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Montane brown frog 070220 Japan.
ヤマアカガエル♂070220千葉県。上とは別個体。体色やパターンはずいぶん違って見えます。

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Japanese brown frog & Montane brown frog 070220 Japan.
上がニホンアカ、下がヤマアカ。眼の後ろからお尻に向けて伸びる背側線が、鼓膜の後方で曲がらないのがニホン、背中側に折れ曲がるのがヤマアカです。

この2種は同所的に分布していても雑種は生まれません。まず、産卵期がヤマアカのほうが早く(交配前隔離という)、さらにたとえ交配が起きても交配後隔離の機構が備わっています。
人工交配の結果は、ニホンアカ♂xヤマアカ♀では卵割(細胞分裂)が起きない接合子致死で、ニホンアカ♀xヤマアカ♂では繁殖能のない♂のみ生まれる雑種不稔性で、いずれも交配後隔離の機構があります。

大形白頭カモメの場合、隔離は曖昧(だから交雑が自然下で起きる)で、核型分析も分類には役に立ちません。そこで登場するのがミトコンドリアDNA等の分子系統学なのです。分子系統学を理解するには、分子時計とかハプロタイプとか較正(こうせい)点とか遺伝距離とか最尤法とかベイズ法とか無根とかいろいろなテクニカル・タームが必要になってきます。少しずつ紹介していく予定なのですが、いつになることやら。

ナガレタゴガエルとタゴガエルのエントリーhttp://seichoudoku.at.webry.info/200702/article_2.htmlも参考にしてください。





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