ムラサキマムシグサ・ウラシマソウ-080506千葉県

テンナンショウ属の植物はとても興味深い。
1) 可逆的に性転換する。今年は雄性個体が来年は雌性個体になったり、その逆もありえる。
複葉の小葉の枚数が多い→同化量が多い→地下の貯蔵庫に相当する球茎が大きい→雌性個体。その逆が雄性個体になる。
2) マムシグサ※(マムシグサ類)は形態的差異が比較的明らかであるわりに、遺伝的差異が小さく、1種か30種かなる問が議論されるという点は、大形カモメ類の分類の錯綜振りを髣髴させる。
同所的に分布する種を識別するのは難しくはないが、産地を無視してしまうと30種それぞれを合理的に識別する決め手はないらしい。種間交雑や浸透交雑(イントログレッション)は少ないことから複数の種があると考えるのが妥当か。

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ムラサキマムシグサ080429千葉県。名の由来は独特な花(正しくは花を包む仏炎苞)ではなく、鱗片葉の模様による。葉は2個で、小葉が複数付く。年とともに増加する傾向がある。
ポリネーター(送粉者)はキノコバエの仲間。雄性個体の苞にハエが入ると体に花粉を付着させ、苞の合わせ目にある穴から脱出できる。しかし、ひとたび雌性個体に入ると穴がないのでハエは脱出できず苞のなかで死ぬ。サラセニヤ、ウツボカズラ(葉)との形態の類似は、虫を捕らえ離さないという機能の共通性による収斂と考えられる。

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ウラシマソウ080506千葉県。名の由来は、基部に花を配列させる付属体を浦島太郎の垂らした釣り糸に見立てたものである。
茎のように見える部分は葉柄で、葉は1個で、小葉が十数枚付く。

節とは: 植物分類学の階級(ランク)のひとつ。
      連-属-節-系-種

 最近、ホイグリンカモメ「のような」カモメ(本ブログでは'taimyrensis'としている)のことをホイ系(ホイグリン系)と呼ぶことが多くなった。多様な'taimyrensis'をひとくくりにする、そして時代の雰囲気をとらえたネーミングにある意味関心もするし、フィールドでウォッチャーが使う符丁としはなんら問題はないが、雑誌などの書籍で使われると違和感がある。改まった場での使用には注意を要する。系は上記のようにれっきとした分類学のランクの一つ、それも種より上位のランクである。一方ホイ系の系は種より下位(または雑種もしくはインターグレード)と思われる。

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ウラシマソウ090505千葉県
Excerpt: ウラシマソウ090505千葉県。 鳥足状複葉が普通1個根生する。茎のように見えるのは葉柄。その基部から花茎を一つ出す。先にあるのは仏炎苞で花はその中に咲く。雌雄異株で地下球茎の大きさで雌雄が決まる。..
Weblog: 鴎舞時 / OhmyTime
Tracked: 2009-05-09 23:49