コンクリートやガラスにどのようにくっ付くのかはいろいろな説があった。1)吸盤のように気圧を利用する、2)水を介して接着している、3)足指の裏の毛の鉤状の突起を引っ掛けている、4)分子間力を利用している、など。
しかし、2002年にファンデルワールス力という分子間力による、と決着がついた。だから、『決定版日本の両生爬虫類』(平凡社)に「完全に磨きあげたガラスであると、引っかかりがないため、さすがに登ることできない」とあたかも見てきたかのように記されているが、これは間違である。ファンデルワールス力は距離の6乗に反比例する弱い力なので、接着面と指が少しでも離れると作用しない。むしろ磨いた方がくっ付くはず。(学生のとき生物物理の授業で、ロンドン・ファンデルワールス力というべきだ、と習った。ファン・デル・ワールスはこうした力を想定して状態方程式を立てると実際の気体の振る舞いを説明できるとしたが、力の仕組みには触れなかった。それを分散力(字面から反発力と誤解されるがそうではない)で説明したのがロンドンで、こっちを頭にすべきということだった。)
ヤモリ080726千葉県。
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