ウスハイイロチュウヒ幼鳥(動画)090211千葉県(追記090417)

フクロウのような相貌は日本で見られるどのチュウヒ類とも異なる。迷行しそうなチュウヒのうち、本個体の目立った特長、体下面がオレンジがかったバフ色でほとんど無斑であるのは、Pallid(ウス)、Montagu's(ヒメ)、Northern(アメリカ)(以前はハイイロチュウヒの北アメリカ産亜種とされていた)の3種である。この点でハイイロチュウヒの可能性は否定できる。行動面でもハイイロとはまったく違い、低空、高速で飛び、ハヤブサ、コチョウゲンボウのようである。
本個体の初列風切のフィンガーは4本であった。ウスとヒメは4本であり、一方アメリカはハイイロと同じ5本であるので、アメリカは該当しない。初列下面の先の部分が全体的に黒くなるのがヒメの特徴であるが、本個体では外側で少し黒い程度である。
そして、この個体の一番の特徴は、顔の周囲の白くてはっきりした縁取りである。ヒメ、アメリカにも縁取りは見られるが、これほど明白ではない。以上はこのチュウヒがウスであることを示す。
ウスは中央アジアから中国西部に分布し、アフリカ、インドで越冬する。そのため本個体は篭脱けではないかと考える人もいた。MacKinnonの"Birds of China”を見ると、河北省や江蘇省で見られているので、日本に飛んでくることはそれほど現実離れしたことではないと思う(同様のことはヒメについてもいえることだ)。

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Pallid Harrier juvenile 090211 Japan.
ウスハイイロチュウヒ幼鳥090211千葉県。虹彩は緑がかった黄色、蝋膜は黄色。目の上下に白斑があるが、ヒメよりは小さい。褐色の耳羽と襟に挟まれるため白いカラーが目立つ。これはヒメにはない特徴。後頭部によく目立つ白いV字がある。胸から腹にかけてオレンジ味のあるバフ色で縦斑はまったくない。ヒメは、胸の側面に少し斑がある。
小雨覆に淡色のバーがある。これはヒメ、アメリカにもある。

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Pallid Harrier juvenile 090211 Japan.
ウスハイイロチュウヒ幼鳥090211千葉県。フィンガーは4本。最外側初列が短く翼は先がハヤブサのように尖って見えることがある。ヒメはより翼が狭い。体下面、下雨覆はオレンジがかったバフ色で、ヒメはより赤みが強い傾向にある。次列下面は暗色。初列先の下面はとくに内側で黒くない。小雨覆に淡色バーがでる。腰の白はハイイロチュウヒよりやや狭い。尾の暗色横斑が目立つ。
常に低空を素早く飛び、風の強い日でもチュウヒのように舞い上がることはほとんどない。高速なので飛んでいるのを見つけてもなかなか撮れない。図鑑には小型げっ歯類、地上性の鳥を捕るとかかれているが、獲物はもっぱら飛んでいる小鳥のようだ。
ある新聞紙上とそのWeb版にこの鳥が掲載された。それも場所が記されていた。田んぼは農作業中であり、周辺道路でも工事中、あぜ道はトラクターや軽トラックが往来し、市民の散歩道にもなっている。間を流れる水路では釣りをする人も少なくない。この記者は、そのような場所に車が殺到する可能性を考慮したのか?さらに残念なのはそのような配慮を欠く問題記事にお墨付きをあたえた山階のスタンスである。現場に対しあまりに無関心。無責任な発言に唖然とした。

次のエントリーのコメントもご覧ください。
チュウヒ大陸型♂成鳥?090208-千葉県

追記090417:ブログ管理人のウスハイイロチュウヒの終認は2009年3月26日だった。この日ハヤブサに追跡されていた。

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