コカワラヒワ-オオカワラヒワ・クライン

2013年11月3日、山階鳥研「見に」レクチャーでの齋藤武馬さんの『身近な鳥カワラヒワの地域変異を調べてみよう』によれば、亜種(コ)カワラヒワChloris sinica minor と亜種オオカワラヒワC.s.kawarahiba は遺伝的分化が進んでいない。両者は亜種ではなくむしろクラインでつながっているようだ。フィールドでは、典型的な両亜種は一見して差は明らかなので、亜種というより別の種ではないかと予想していたので、意外な結果だった。でも冷静に思い起こせばどちらともつかないカワラヒワも少なからずいるのが実際かもしれない。ちょっと残念な結果に思えたが、見方を変えればかえって面白いかも。なぜなら種分化の過程を目撃しているのかもしれないからだ。クラインになるためには繁殖地が連続していて遺伝子流動に障壁がないはずである。
鳥類目録によれば、オオカワラヒワの繁殖地は、カムチャツカ、クリル諸島南は少なくともシムシル島まで(英語なのでこう表記した)、サハリンであり、カワラヒワは日本(北海道は夏鳥)、済州島である。この記載が本当なら分布に重なりがない。目録の著者は亜種を認めているわけだから、分布に重なりがないのは整合的なのだが、しかし、分布が分断されているのにクラインになるとはどういった事態か。氷期に連続していた分布域がその後の温暖化で離散化したが、遺伝的に分化するには時間がすくないと考えればいいか。
Brazil(2009)によれば、オオカワラヒワは北海道でも繁殖している。この方がわかりやすい。いずれにしろ、亜種かクラインかの解明には、さらに多くのポイントで多くの個体の遺伝子を調べる必要があるだろう。
齋藤さんの口から今や死語になってしまったコカワラヒワが聞かれたのでコバケイ世代としてはちょっと懐かしく嬉しかった。

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Oriental Green Finches C.s.kawarahiba/minor 140104 Japan.
千葉県。画像1はカワラヒワ/オオカワラヒワの中間的な個体。

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Oriental Green Finch C.s.minor 131001 Japan.
茨城県。本州で繁殖する亜種カワラヒワ。

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