モア(の祖先)は南米からニュージーランドへ飛んだ

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Moa feathers 170527 National Museum of Nature and Science.
Matthew J. Phillips et al (2010)のmtDNA分子系統学的分析によれば、モアは不思議なことにシギダチョウと姉妹関係にあり、同じくニュージーランドに暮らすキーウィは別のクレードに入る。
私は以前、「鳥は二度飛んだ! シギダチョウの進化」で、シギダチョウを含めたダチョウ目の共通の祖先で一度飛行能力を失い、シギダチョウで飛行能力が復活すると考えるのが最も仮定の少ない合理的な推論であると記した。しかしこの仮説には致命的な欠点がある。飛べないダチョウ、レア、キーウィ、エミューをそれぞれ大海を越えて各大陸、島に配置しなければならないからである。そしてモアについても、最節約的に推論すれば、モアはシギダチョウのいる南米から太平洋を歩いて(いかだに乗って)渡らなければならない。

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Phillipsらは、4度の飛行能力消失を仮定して以下のようなダチョウ目の進化の過程を提案した。ダチョウ目の共通の祖先は飛べた。まずダチョウの祖先が分岐しアフリカの地で飛行能力を消失する。次にレアの祖先が分岐し南米で飛べなくなる。そして、飛行能力を維持したシギダチョウとモアの共通の祖先が分岐する。モアの祖先は飛んでニュージーランドへ渡り飛行能力を捨てる(そして一部の系統は大型化する)。 ヒクイドリ、エミュー、キーウィの共通の祖先は飛行能力を失った後それぞれ進化する。この仮説はオッカムの剃刀に従わないのだが、納得できる。


180726追加:
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Elegant crested Tinamou 180726 National Museum of Nature and Science.
カンムリシギダチョウ180726 国立科学博物館。

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